新盆入りを前に弥生1丁目の真宗大谷派林幽寺で10日、高さ約3メートルの「牡丹(ぼたん)キリコ」一対が本堂の天井につるされた。
北國新聞文化センター講師で北陸寺院巡りコーディネーターの野村みつぢさん(67)=鳴和1丁目=によると、牡丹キリコは藩政時代から続く風習で、先祖をしのぶために設置される。新盆や旧盆に市内の約100カ寺で飾られる。
寺院によって装飾や和紙の色使いが異なり、林幽寺の牡丹キリコは上部に雁(かりがね)をかたどった金の装飾がある。和紙は白、赤、青の3色で彩られ、同寺のような淡い色彩は珍しいという。
藤渓了天(ふじたにりょうてん)前住職(75)は「ぜひ本堂に立ち寄ってから墓参してほしい」と話した。設置は16日まで。