福井県越前市安養寺町の人工巣塔から巣立った国の特別天然記念物コウノトリの幼鳥4羽が、すくすくと育っている。まだ親鳥の下に集まり餌をもらう場面も見られ、"親離れ"はもう少し先になりそうだ。
7月17日午前11時ごろ、巣塔近くの田んぼでは、親鳥の雄「たからくん」から餌をもらい、田んぼをつつく4羽の姿が見られた。食後は付近を歩いてのんびり。独り立ちに向けオタマジャクシやカエルを取る練習もしていた。
越前市農政課によると、幼鳥が親鳥と別れて行動するのは秋頃になりそう。親鳥が餌を与える吐き出し行動は今後徐々に減り、幼鳥は一人で餌を探すようになるという。巣立ちの時より筋肉が発達したものの、まだまだ上手に飛べない4羽。同課職員は「幼鳥はけがをしやすいため、むやみに驚かせないことが大切」と話していた。
4羽は2016年に同市で放鳥された「たからくん」と、兵庫県生まれの雌「みやびちゃん」の間に誕生。6月中旬~7月初めにかけて順次巣立った。県内で野外繁殖のひなが巣立ったのは、昨年の坂井市の例に続き2年連続となった。