製造を受け継いだ「朱鷺の子」を持つ「にいがた匠の杜」の枝並宜男さん=新潟市江南区

製造を受け継いだ「朱鷺の子」を持つ「にいがた匠の杜」の枝並宜男さん=新潟市江南区

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銘菓「朱鷺の子」が復活 愛された味を継承 新潟

新潟日報(2020年8月14日)

 新潟県内の観光施設の売店などで20年以上にわたって販売されている菓子「朱鷺の子」。加茂市の「あめ友商店」が手掛けた人気商品だが、同商店は4月、新型ウイルスによる経営難などから廃業した。ただ、朱鷺の子は7月下旬から再度店頭に並び始めた。

 引き継いだのは、観光向けの菓子などを製造する「にいがた匠(たくみ)の杜(もり)」(江南区)だ。親会社の仕入れ先だった同商店社長の近藤友一さん(67)に「朱鷺の子を残してほしい」と頼まれたのがきっかけだった。

 匠の杜は、餅やまんじゅうといった和菓子を得意とする。一方、朱鷺の子はあんをオーブンで焼くなど、洋菓子のような手順がある。「新潟銘菓なのでとても光栄なこと。でも、うちにできるのか」。枝並宜男常務(57)は継承に戸惑いがあったと明かす。

 5月中旬、近藤さんの指導が始まった。観光業界が苦戦を強いられていた時期。「製造ラインが止まっていたため、スタッフが技術習得に集中できた面もあった」と枝並さんは振り返る。試行錯誤を重ね、販売価格こそ定番の味で8個入り税別602円から7個で同650円に値上げしたが、味も見た目も変わりない朱鷺の子が完成した。

 近藤さんは「作り続けていただき、うれしい」と感謝の言葉を繰り返す。枝並さんは「こんなに丁寧に作っていた商品だとは思わなかった。変わらない味だと思ってもらえるよう努めたい」と話した。

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