リニューアル改修工事に伴う長期休館を前に、入館を無料としているみくに龍翔館=福井県坂井市三国町緑ケ丘4丁目

リニューアル改修工事に伴う長期休館を前に、入館を無料としているみくに龍翔館=福井県坂井市三国町緑ケ丘4丁目

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みくに龍翔館リニューアルで長期休館に 11月から、再開は2023年度 福井県坂井市

福井新聞(2020年10月6日)

 1981年に開館した福井県坂井市のみくに龍翔館が、大規模リニューアル工事のため11月から約2年半の長期休館に入る。約40年続いた港町三国の歴史文化や自然、風土を紹介する常設展は10月いっぱいで見納め。同館は"グランドフィナーレ"として、入館料を最終日の31日まで無料にしている。

 龍翔館は旧三国町立の郷土資料館として開館した。五層八角の外観は、オランダ人エッセルがデザインした旧龍翔小がモデルで、三国のシンボルとして親しまれている。しかし、開館39年を経て施設の老朽化が進み、バリアフリーへの対応、坂井市全体の文化遺産を対象とする収蔵・展示内容が求められていた。

 常設展は、日本遺産に認定された北前船関係をはじめ、三国の自然、歴史民俗、文学など総合的な展示構成となっている。1階の吹き抜け部には、北前船交易の主力として活躍した「ベザイ船」模型を展示。三国港の変遷を絵図や古文書で解説し、河岸に並ぶ蔵並みを模型で紹介しているほか、10メートルを超える明治期の三国祭の武者人形再現も見どころの一つ。

 リニューアルの基本理念は「みせる・つなげる・はくぐむ」を掲げる。魅力ある外観と現在常設の大型展示などは生かしつつ、旧三国町から"坂井市の博物館"として刷新する。北陸新幹線の県内延伸を見据え、観光地との連携機能なども強化する。

 計画では入り口を駐車場側に移設し、1~4階までのエレベーターを開設する。新たに国宝などが展示できる特別展示室のほか、講座や体験学習に使える100人規模の多目的室の設置を予定している。

 21年度から改修工事に着手し、23年度のオープンを目指す。11月からは展示物の搬出に入る。学芸員の角明浩さんは「三国の全てが分かる展示はこれが最後」と来場を呼び掛け、生まれ変わる博物館について「坂井市の魅力がより分かる展示にしていきたい」と話している。水曜休館。


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