福井県あわら市の「あわら温泉女将(おかみ)の会」は11月4日、坂井市の久保田酒造で、オリジナル日本酒「女将」の仕込みを行った。国の観光支援事業「GO TO トラベル」で温泉街に客足が戻る中、来月の完成に向け心を込めて作業した。
芦原温泉旅館の女将を中心に地元農家、酒造会社などが手掛けるプロジェクトの一環。約1・5ヘクタールで酒米を育て、純米吟醸酒「女将」を作る。
この日は女将の会の4人が参加。もろみ造りの3段仕込みの第1段階に当たる「初添(はつそえ)仕込み」を行った。女将たちは、こうじと酒米、酵母菌、水で作った「酛(もと)」が入ったタンクに、蒸した酒米を慎重に入れ、専用の棒で優しくかき混ぜた。
別の部屋では、こうじ菌をまいた酒米を手でほぐす作業にも取り組んだ。
今年で7年目の取り組みだが、女将の会は新型コロナの影響で今年の日本酒づくりを見合わせることも考えたという。副会長は「4~6月は大変な思いをした。日本酒『女将』は大事なツールなので、仕込みの日を迎えられてうれしい。おいしい新酒に仕上がり、県内の地酒とともに福井の盛り上がりに一役買ってもらえれば」と話した。
12月上旬ごろ、あわら市内で新酒のお披露目会を開き、各旅館で提供を始める。