1匹40万円で落札された大物の加能ガニ=金沢市のかなざわ総合市場

1匹40万円で落札された大物の加能ガニ=金沢市のかなざわ総合市場

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1匹40万円 初競り沸く 県内カニ初物水揚げ

北國新聞(2020年11月7日)

 1匹40万円の競り値に市場内が沸いた。金沢市の石川県漁協かなざわ総合市場で6日夜に行われた県産ズワイガニ「加能ガニ」の初競りでは、最高額が昨年の30万円を超え、同加賀支所でも35万円の値を付けた。金沢港には新ブランド「加能ガニ金沢」「金沢香箱」のタグを付けたカニもデビュー。新型コロナの影響で高級魚の魚価が落ち込む中、加能ガニの価値向上へ関係者の期待は高まった。
 各漁船厳選の1匹の最高額を決める「蟹―1(かにわん)グランプリ」で40万円を付けた加能ガニは重さ1・95キロ、甲羅の幅16・5センチの大物で、県漁協すず支所所属の「第8幸漁丸」が出品した。
 志賀町に工場を構えるIT関連企業ハイレゾからの注文で競り落とした表商店(かほく市)の仲買人能任(のと)龍太郎さん(27)は「形も大きく生きも良かったので絶対落としたかった。コロナ禍の中、水産業全体が元気になってほしいと思い、思い切って値を付けた」と喜んだ。落札されたカニは志賀町内の道の駅で展示予定だという。
 県漁協加賀支所での最高額35万円のカニは重さ1・77キロ、甲羅の幅16・6センチ。競り落とした地元の料理店「新保」の福島公一社長(51)は「面の大きさもでかく、生きもいい。橋立のブランドが高まるきっかけになってほしい」と期待を込めた。
 かなざわ総合市場では、金沢市などが今年からブランド化に乗りだした「加能ガニ金沢」と「金沢香箱」が登場した。加能ガニ金沢は甲羅の幅が11センチ以上、金沢香箱は同8センチ以上で、いずれも金沢港に水揚げされた脚折れのないズワイガニ、コウバコガニを認定する。それぞれの認定タグを付けたカニがケースで漁船から運び込まれ、次々と競り落とされていった。
 県漁協の福平伸一郎常務理事・同市場長は「石川の加能ガニ全体を盛り上げていきたい」と話した。山野之義市長も視察した。
 輪島港でも、県漁協輪島支所の38隻が午後2時半ごろから順次帰港し、次々と水揚げした。漁期はコウバコガニが12月29日まで、加能ガニが来年3月20日まで。
 かなざわ総合市場では競りを見学するツアーが行われ、参加者は初物のコウバコガニを味わった。毎週金曜に実施する見学ツアーがカニ解禁と重なったため、どこよりも早く食べられる機会となり、市場に隣接する食堂で、ゆでガニ1匹分が提供された。内灘町の会社員男性は「千葉出身なので、あまり縁がなかった。とにかくおいしい」と笑顔で箸を進めた。

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