祖母から受け継いだもつ煮を自動販売機で提供する四十万さん

祖母から受け継いだもつ煮を自動販売機で提供する四十万さん

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人気もつ煮を自販機で 亡き祖母の店の味、末永く

北日本新聞(2020年11月23日)

 魚津市の四十万拓さん(36)は、県内では珍しいもつ煮の自動販売機を同市双葉町に設置した。祖母の故惠美子さんが同所で約40年間営んだラーメン店「中華そば ふたば」の看板メニューだった。販売の形を変えながら、長年地域に愛された味を継承していく。

 ふたばは小さい店ながらも常連客に親しまれ、豚スジ肉なのに「もつ」と呼んで麺にのせた「もつ中華」は特に人気だった。しかし、店主の惠美子さんは高齢のため引退を決意。サッカーコーチなどをしていた四十万さんが「店の名を残したい」と、もつ煮の作り方などを教わって手伝ったが、設備の老朽化を理由に2014年に閉店した。

 四十万さんは18年から昨年末まで市内で営んだうどん店で惠美子さん直伝のもつ煮を出してみて、客の反応に手応えを感じた。移動販売と通販で提供するのに加え、非接触の自動販売機は新型コロナウイルス対策にもなると考え、今年10月に導入した。

 販売が軌道に乗ってきた矢先、今月8日に惠美子さんが86歳で亡くなり、四十万さんは「多くの人に食べてもらいたい」との思いを改めて強くした。

 未明から仕込み作業に当たることも多いが「今が頑張りどき」と気を引き締める。小さな頃は当たり前のように思っていた味へのこだわりは今が一番強く「1人ではできんことで、おばあちゃんのおかげ」と感謝する。

 もつ煮は袋入りで2人前千円。自動販売機は、県内でさらに増やす予定。インスタグラム「futaba_uozu」で情報発信している。

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