郷土料理研究家の経沢信弘さん(60)=富山市=と大門素麺(そうめん)生産者の境欣吾さん(66)=砺波市=が、大伴家持が万葉集で詠んだことで知られる藍藻(らんそう)類「アシツキ」の粉末を練り込んだそうめんを考案した。試食会が23日、高岡市のウイング・ウイング高岡で開かれ、出席者が独特の色合いやつるつるした食感を楽しんだ。
アシツキは深緑色の寒天質の藻で、春から夏にかけて清流の岩などに付着する。現在の庄川に自生するアシツキを詠んだ家持の歌が万葉集に収められている。
経沢さんは15年ほど前に南砺市の利賀川にも自生しているのを知り、以来、採取したアシツキを使ったそばやスイーツなどを作ってきた。今回は砺波市特産・大門素麺とのコラボレーションに挑んだ。
粉末状のアシツキを練り込んで手延べしたそうめんは淡い緑色が特徴。この日の試食会では、経沢さん、境さんら5人が味わった。境さんは「粉末の量を調整し、よりきれいな緑色を表現したい」と話し、経沢さんは「今後、素麺生産者や郷土料理研究家らを試食会に招き、意見を取り入れて商品化を目指したい」と意気込んだ。