越前和紙の漉き初めを披露する職人=1月5日、福井県越前市新在家町の卯立の工芸館

越前和紙の漉き初めを披露する職人=1月5日、福井県越前市新在家町の卯立の工芸館

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越前和紙 繁栄願って 越前市で漉き初め式

福井新聞(2021年1月6日)

 福井県越前市の伝統工芸、越前和紙の漉き初め式が1月5日、同市新在家町の卯立の工芸館で行われた。伝統工芸士らが紙漉きの工程を披露し、関係者が和紙産業の繁栄を祈った。

 県和紙工業協同組合が毎年開いている。新型コロナウイルス感染症防止のため今年は来賓の招待は取りやめ、組合員ら関係者約80人が参加した。

 式の冒頭、紙の神を祭る岡太(おかもと)神社・大瀧神社の上嶋晃智宮司が神事を執り行い、元日にくんだ神社奥の院のご神水を、漉き舟に流し入れた。

 「神の授けをそのまま継いで 親も子も漉く 孫も漉く―」などと歌う「越前紙漉き唄」が響く中、伝統工芸士ら職人10人が分担して作業に取りかかった。原料のコウゾに混じったちりを取り除く「塵(ちり)より」、コウゾをたたいて繊維を分解させる「叩解(こうかい)」、紙漉きなどを手際よく行った。

 紙漉きを担当した男性(45)は「全世界に知られるような和紙になってほしいと願いを込めた」、同組合の石川浩理事長は「コロナで厳しい時代だが、オンラインの販路拡大などに取り組み、産地の繁栄に向けて一歩ずつ進めていきたい」と話していた。

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