平安時代に厄払いの花として使われた菊を新年に咲かせることで新型コロナウイルス感染症の終息を願い、越前市万葉菊花園(福井県越前市余川町)が、通常は秋に咲く大菊2種類を開花させた。赤と黄の計約170輪が、1月末まで楽しめる。
同園によると、菊は厄払いのほかに、風水では健康運をアップさせると考えられているという。今年は新年に合わせ、赤の「国華晴舞台(こっかはれぶたい)」と黄の「精興冠月(せいこうかんげつ)」を開花させた。9日時点で国華晴舞台は8分咲き、精興冠月は5分咲き。週明けに開花のピークを迎える。
同園では秋以外にも菊を楽しんでもらおうと、2017年から栽培に工夫を重ねてきた。今回は昨年4月に挿し芽をし、8月~11月上旬の夜間にハウス内で照明を当てて開花時期を調整。以降はガラス温室で開花を促し、12月下旬に徐々に花が開き始めた。
栽培を担当した男性(48)は「コロナで気持ちが沈む中、菊を見て少しでも元気になってもらえたら」と話していた。
開園は午前9時~午後5時。月曜休館。入場無料(清掃協力金100円)。問い合わせは同園=電話0778(27)7800。