福井県美浜町に伝わる小正月の伝統行事を紹介する企画展「みはまのお正月を祝いましょう」が、町歴史文化館で開かれている。地域ごとに特徴が異なる国選択無形民俗文化財の「戸祝い」「キツネガリ」を写真や道具など約20点で解説している。3月21日まで。
戸祝いは「祝い棒」と呼ばれる木製の棒で家の戸をたたき、キツネガリは木づちのような道具で玄関先の地面をたたく民俗行事。本来は別物だが、嶺南では習合的に行われ、除災招福を祈願する。江戸時代から伝わるという。
坂尻区では長さ40センチ、横15センチの木づちのような道具に「入試必勝」「兄妹仲良く」などの願いが書かれている一方で、中寺区の小ぶりな道具には松竹梅と縁起の良い絵が描かれている。行事の内容の違いも写真で確認できる。
地元の伝統行事を知ってもらおうと企画した。同館の学芸員は「後世に残すためにも多くの人に興味を持ってもらいたい」と話していた。