穴水町中居地区で藩政期から伝わる珍味「このわた」の製造が最盛期を迎え、中居南の森川仁右ヱ(じんうえ)門(もん)商店では7日、住民らが原料のナマコをさばいて内臓やエラなどを取り出す作業に励んだ。
近隣の主婦ら4人が手伝い、いけすで泥抜きしたナマコの腹を開いて腸や卵巣、エラなど部位ごとに仕分けた。今後1年かけて加工し、金沢などに出荷する。同店では腸を塩辛にした「このわた」や、卵巣を干した「くちこ」などを毎年約200キロ出荷している。
店主の森川仁久郎さん(75)は「荒天で漁にいけない日が続き心配したが必要量は確保できた。出荷まで手を抜かずに作業したい」と話した。