和紙を用いたインスタレーションの展示状況を確かめる川原さん=県美術館

和紙を用いたインスタレーションの展示状況を確かめる川原さん=県美術館

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和紙の大作特別展示 工芸アワードとやま

北日本新聞(2021年2月24日)

 県美術館(富山市)で25日から始まる公募展「国際工芸アワードとやま」の会場に、立山町虫谷の和紙職人、川原隆邦さん(39)が全長50メートルのインスタレーション(空間芸術)を展示する。2017年に開かれた「U-50国際北陸工芸アワード」の最優秀賞受賞者として、県から特別に依頼された。「手すきの紙としては世界でもまれな大きさ。人の心に刺さるものを目指した」と話す。

 川原さんは、国際工芸アワードとやまの前身に当たるU-50国際北陸工芸アワードに極限まで薄くした和紙を出品し、最優秀賞に選ばれた。4年間で一層成長した姿を示してほしいと、発表の場を与えられた。

 和紙をすいたそばからロールで巻き取っていく手法で、長さ50メートル、幅1・6メートルの和紙を制作した。会場入り口のスロープの天井から、曲がりくねった形状でつり下げた。厚みの違いがもたらす色の濃淡で深海を表現し、「有磯紙」と名付けた。

 制作を依頼した県美術館の桐山登士樹副館長は「4年前の薄さへの追求から、さらに挑戦の領域が広がっていることが見て取れる」と語った。

 国際工芸アワードとやまは、50歳以下の工芸作家や職人らを対象にした県主催の国際公募展。25日から4月4日まで、川原さんの作品や今回の入賞作など約120点を展示する。北日本新聞社後援。

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