つばき最中の発売に向けて意見交換する研究会のメンバー=野々市市にぎわいの里ののいちカミーノ

つばき最中の発売に向けて意見交換する研究会のメンバー=野々市市にぎわいの里ののいちカミーノ

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「つばき最中」新名物に 野々市・4異業種が共同開発 花びらジャム練り込む

北國新聞(2021年2月25日)

 野々市市を中心とした四つの異業種が集まり、24日までに同市の花木ツバキをPRする和菓子「つばき最中(もなか)ののあわせ」を開発した。各メンバーが得意とする専門技術やノウハウを結集し、名物に育てたいと取り組んだ。3月20、21日に市内で開催される「花と緑 ののいち椿(つばき)まつり」(北國新聞社後援)を皮切りに売り出し、野々市の新たな土産物として定着を目指す。
 メンバーは水引を製造販売するかねこ結納品店、養蜂業のしずく工房、ツバキのクッキー販売などに取り組むボランティアサークル「e(イ)-やん」の野々市の3事業者・団体と、金沢市城南2丁目のかわばた菓子店となる。
 2019年秋にe-やんが、自分たちにない要素で新たなツバキの菓子を作りたいと県中小企業団体中央会に相談したのがきっかけとなった。
 中央会が派遣したコーディネーターが地域おこしに関心を持つ事業者らに声を掛け、昨年4月に「野々市つばき商品開発研究会」を組織した。e-やんが製造している野々市産のツバキの花びらのジャムを使った菓子の開発を目指し、調査や研究に取り組んだ。
 しずく工房は金沢の里山や能登で採取した蜂蜜8種類をあんに混ぜることを提案。全員で何度も試食した結果、ミカン科の烏山椒(からすざんしょう)の花から採った希少な蜂蜜と北海道産の粒あんとの相性がよく、かんきつ系の爽やかな後味が楽しめることから採用した。
 白あんには花びらジャムを練り込み、あっさりと上品な甘さが感じられる味に仕上げた。粒あん、白あんの2種類を商品化することにした。
 もなかの製造を受け持つかわばた菓子店は、皮の形をツバキの花にしようと型を探した。表面はピンク色になるよう天然色素を使った濃淡の2色を準備した。
 店主の川畑洋康さん(60)は烏山椒の蜂蜜を混ぜた粒あんについて「これまでにない個性的な味で、素晴らしいおいしさ」と絶賛した。かねこ結納品店は包装やチラシのデザインなどを監修した。
 名称は野々市での出会いや縁を大切に結びたいとの意味を込めた。市文化会館フォルテを主会場に開かれる「花と緑 ののいち椿まつり」で5個入りの1箱を1080円(税込み)で発売する。
 まつりの閉幕後は市にぎわいの里ののいちカミーノの「1の1 NONOICHI」と、かわばた菓子店での販売を予定する。
 e-やんの髙見眞智子さん(68)は「e-やんだけではこんなにすてきな商品は作れなかった。野々市の土産品として長く愛されてほしい」と話した。

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