總持寺通り商店街で土産店を開業した谷さん=輪島市門前町走出完成した商店街のマップ

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總持寺通りに土産店 門前の商店街 空き店舗に10年ぶり 開創700年

北國新聞(2021年3月4日)

 輪島市門前町の總持寺通り商店街で3日までに、空き店舗を改装して土産店が開業した。空き店舗が目立つ商店街では約10年ぶりの新規出店となり、揚浜塩や魚(ぎょ)醬(しょう)いしるのドレッシングなど能登づくしの食品を発信する。4月以降、曹洞(そうとう)宗大本山總持寺祖院で開創700年記念事業が控える中、関係者は商店街に新たな魅力が生まれることを喜び、一緒に節目を盛り上げたいと張り切っている。
 土産店を開業したのは輪島市門前町で4年前から接骨院を営む谷遼典さん(32)=同市河井町=。同町商工会青年部に所属する谷さんは「總持寺の節目を盛り上げ、商店街の活性化に一役買いたい」と出店を決めた。
 店は美容院だった木造2階建て空き店舗の1階部分を改装。禅で悟りを表す「円相」や人々との縁を大切にしたいとの思いから、店名はおみやげ処(どころ)「えん」とした。
 地酒や干物、焼き菓子をはじめ、いしる、ドレッシング、おかずみそなど約60種類の商品をそろえた。売り場奥には人々が集う交流の場にしたいと、イートインスペースも設けた。谷さんは「観光客だけでなく、地元の人にも喜んでもらえるような店にしたい」と力を込めた。
 總持寺祖院の門前町として栄えた總持寺通り商店街は、2007年3月の能登半島地震で商店が全半壊するなど甚大な被害を受けた。少子高齢化や後継者不足も追い打ちを掛け、廃業する店が相次いだ。1965年に55店あった商店は現在、半数近くの約30店まで減った。今年は總持寺祖院で4月の落慶法要や9月の開創700年法要のほか、地元でも各種関連イベントが行われ、全国から多くの檀信徒や観光客が訪れることが予想される。
 商店主らでつくる総持寺通り協同組合が地元屈指の集客力がある總持寺祖院の節目を好機ととらえ、テナントの誘致を進めたところ、谷さんから出店申し込みがあった。組合は引き続き新規出店者を募るほか、土産物の開発にも力を入れる。五十嵐義憲代表理事(73)は「若い人が仲間に加わってくれて助かる。街に活気が生まれるよう一緒に頑張っていきたい」と話した。
 総持寺通り協同組合は、観光客に商店街の散策を楽しんでもらおうと「ぶらぶら街歩きマップ」を5千部作った。
 A4判の三つ折りで、各店の紹介に加え、總持寺祖院とともに栄えた商店街の歴史も掲載した。QRコードも付け、紹介動画がスマートフォンなどで見られる。

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