江戸中期から明治期までの和くぎを紹介する高田専務理事

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文化財資料展示室が開設 高岡・勝興寺

北日本新聞(2021年3月4日)

 今月末に「平成の大修理」を終える高岡市伏木古国府の勝興寺の一角に文化財資料展示室がオープンした。大修理で取り外された江戸中期から明治期までの和くぎ約140本や、工事に向けて試作されたこけらぶき屋根や土壁の施工模型が展示されている。(平瀬志保)

 展示室は先月末、住職や地位の高い客人のみ座ることができたとされる大広間内部の対面所「上段の間」に隣接する部屋に設けられた。この部屋が公開されるのは初めてという。

 和くぎは断面が四角いのが特徴で、時代によって頭部の形が異なる。くぎを真横から見ると、江戸中期のものは頭部が折れていて数字の「7」、同後期のものは頭部が軸からはみ出していて英字の「T」のような形をしている。洋くぎのように頭部が丸い明治期の和くぎのほか、かすがいや、こけら板を留める竹くぎなども展示している。

 こけらぶき屋根は勝興寺の国重要文化財12棟のうち、本堂や式台門など9棟に用いられている。模型は間近に見ることができ、木の薄板が緩やかなカーブを描きながら何層にも重ねられている構造が分かる。土壁の施工模型は台所の修理に向けて作られたもので、カヤを縄で格子状に編んだ下地「木舞(こまい)」に、藁(わら)を混ぜた泥が塗り重ねてある。

 勝興寺文化財保存・活用事業団の高田克宏専務理事は「現在では珍しい昔ながらの工法や道具を見てもらいたい」と話した。

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