〝海ごみ〟で作ったサングラスやアクセサリー、皿=3月7日、福井県小浜市まちの駅の「TEtoKI」

〝海ごみ〟で作ったサングラスやアクセサリー、皿=3月7日、福井県小浜市まちの駅の「TEtoKI」

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海のごみ再生、輝く宝物に 小浜の女性団体が販売開始

福井新聞(2021年3月8日)

 嶺南沿岸で回収した漂着ごみの再資源化を目指し、2年前から活動を始めた女性グループ「アノミアーナ」(福井県小浜市)が、漂着ごみを原料に作った皿やサングラス、アクセサリーの試験販売にこぎ着けた。3月7日には同市まちの駅でトークイベントや活動報告があり、「美しい海を次世代に引き継ぐためにも、人々の関心を高めたい」との思いを新たにした。

 沿岸の集落では人口減で海浜清掃の人手が不足していることや、集めた漂着ごみは国内で埋め立て処分されていることを知り、「回収するだけでは問題が解決しない」と同グループが発足。「海ごみを宝物に変えよう」をスローガンに掲げ、2019年秋から活動を始めた。

 嶺南沿岸約80カ所の漂着状況を調べ、地元を巻き込んだ清掃活動を展開する一方で、再資源化の技術を持つ県内外の事業者を視察し協力を依頼。集めたごみを洗浄し、原料として提供してきた。昨年7月には、横浜や金沢の事業者と開発したアクセサリーや皿、コースターをお披露目した。

 漂着したペットボトルで作ったサングラスがラインアップに加わり6日から、同市まちの駅内の食のセレクトショップ「TEtoKI」で試験販売を始めた。赤、青、白の器は、原料がごみとは思えないくらいきらきらと輝き目を引く。アクセサリーはイヤリング、ピアス、指輪など種類が豊富。サバをモチーフにしたキーホルダーもある。

 オンライン形式で開かれたトークイベントでは、開発に携わった事業者らが「ごみがものに生まれ変わるなら、回収の意欲が高まる」「SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む企業から製品への問い合わせが多い」などと思いや状況を語った。

 同グループの代表は「再資源化できる量は決して多くはないが、人々の関心を高め、海ごみを拾いたいという人を増やしたい。漂着ごみの現状を学ぶ教育旅行、環境旅行にも取り組んでいきたい」と今後の活動へ意気込んでいた。

 TEtoKIでの販売は15日まで。19~30日は、同市志積の「オーベルジュ志積」で販売する。

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