福井県坂井市内の広域観光振興に取り組む一般社団法人「DMOさかい観光局」は4月13日、名勝東尋坊の地質学的な価値や歴史を現地で紹介する観光ガイド「東尋坊マイスター」制度を取り入れ、13人を初認定した。5月以降、旅行会社などから依頼があれば活躍してもらう。
東尋坊は高さ約25メートルの柱状節理が約1キロにわたって続き、断崖絶壁の大池や千畳敷といった地質学的に貴重なスポットがある。これまで地元のボランティアグループが案内を担うケースもあったが、個人で岩場を眺めるだけの観光客も多い。
北陸新幹線県内開業を見据えて東尋坊再整備計画が進んでおり、DMOさかいは専門知識を持ったガイドの育成が急務としてマイスター認定制度を導入。観光ガイドツアーを旅行商品として売り込むことにした。
この日は、東尋坊を長年研究している吉澤康暢・元福井市自然史博物館特別館長(76)を講師に、1時間コースの実践研修と筆記試験があり、県内の13人が挑んだ。
東尋坊観光交流センターで行われた試験では、日本最大級の柱状節理の横断面直径を問う問題などが出され、全員が正答率8割以上を獲得し初のマイスターに認定された。
会社員の女性は「東尋坊の魅力をしっかり伝えていきたい」と抱負。NPO法人ボランティアガイドきたまえ三国の会長は「難しい試験だった。今後は一般的な案内ではなく、ワンランクアップしたガイドを目指したい」と話した。