多くのファンが訪れる雪中ジャンボかきまつり。今年は中止された=2020年2月、穴水町あすなろ広場

多くのファンが訪れる雪中ジャンボかきまつり。今年は中止された=2020年2月、穴水町あすなろ広場

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穴水カキ自宅で食べて カリスマ家政婦がレシピ4品伝授 まつり中止で「巣ごもり需要」狙う

北國新聞(2021年5月18日)

  〈オンラインで22日〉
 穴水町は22日、コロナ禍によるイベント自粛や出控えに伴って伸び悩む特産カキの消費喚起に向け、「オンライン牡蠣(かき)まつり」を初めて行う。家事代行仲介サービスの「タスカジ」(東京)などと連携し、「おうちで食の旅体験」と銘打って自宅に旬のカキを届け、カリスマ家政婦が料理法を伝授する。グルメツアーの疑似体験を通じて販路開拓やコロナ後の誘客の回復にも結び付ける。

 22日のイベントは、町やタスカジ、JTBコミュニケーションデザイン(東京)、コンサルティング・マーケティングのアイクリエイト(同)の共同企画となる。

 料理法を指南するのはカリスマ家政婦として知られる「すずきよさん」で、ワイン蒸しやオイル漬け、餃子、パエリアの4品の作り方を伝える。町などがクラウドファンディングを通じてイベント参加者を募ったところ、全国から49人がエントリーした。

 新型コロナは観光業に打撃を与え、イベントの中止に伴って食材の消費が落ち込むなど、影響が広がっている。穴水では今年、例年約2万人が訪れる「雪中ジャンボかきまつり」が中止となり、提供予定だった約10万個のカキが出荷の機会を失い余剰在庫となった。

 「3密」回避のため、大規模に集客する代替イベントの開催は難しいことから、町は外出自粛による「巣ごもり需要」の高まりをとらえ、旬のカキを自宅に届けて味わってもらう仕組みを模索していた。

 単にカキを届けるだけでは「どう調理してよいか分からない」という消費者の意見を受け、カキのうま味を引き出すレシピの紹介を組み合わせたイベントを企画し、訴求力を高める。

 地域食材の課題解決と家事代行サービスを組み合わせた同様の企画は昨年、三重県で実施例があるが、県内では初めてとなる。余剰在庫の解消で、食品ロスの削減にもつなげる狙いだ。

 カキの旬は冬のイメージが強いが、穴水のカキは水深10~25メートルの深い海中でゆっくりと育つため、6月頃まで、うまみの凝縮した「春カキ」として味うことができる。

 町は「地元でのさまざまな取り組みと合わせ、コロナ後に穴水へ足を運んでもらう入り口にしたい」(観光交流課)と、食を通じた町の魅力向上に期待している。

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