福井ゆかりの歌人、俵万智さんの歌集「未来のサイズ」が第５５回迢空（ちょうくう）賞に選ばれたことを記念し、福井県福井市の県ふるさと文学館で特集展示が行われている。新型コロナウイルス禍の中で日常を切り取った収録歌の直筆色紙などが並ぶ。７月１４日まで。

　迢空賞は１年間に刊行された歌集から選ばれ、歌壇で最も権威ある賞とされる。昨年刊行された「未来のサイズ」は４１８首を収め、コロナ禍や地方での暮らし、母親としての心情などを鮮明に映し出している。

　直筆色紙は「感染者二桁に減り良いほうのニュースにカウントされる人たち」がしたためられており、６月２５日からは別の収録歌に入れ替える。

　俵さんの受賞の言葉や審査員の選評を掲載した雑誌、２８０万部を超えるベストセラーとなった「サラダ記念日」などこれまでの歌集も展示し、いずれも県立図書館で借りたり閲覧したりできる。

　県ふるさと文学館の学芸員は「歌に込められた未来の希望への思いを感じてもらえれば」と話していた。