福井県福井市の一乗谷朝倉氏遺跡を散策するイベントが6月6日行われた。約30人が町屋や寺院、武家屋敷の跡が残る平面復原地区などを巡り、朝倉氏が栄えた時代の生活や文化に理解を深めた。
県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館が主催し、同館の熊谷透文化財調査員の案内で約2キロを2時間かけて歩いた。平面復原地区では、町屋にそれぞれ井戸と便所が付いていることを紹介。同時代の京都の町屋は共同利用が多く、「一乗谷はニュータウンで個々の独立性も強かったと推測できる」と説明した。
交差点だったとみられる場所から出土した石灯籠(いしどうろう)跡や、寺院の参道跡なども回った。参加者は当時のまちの様子を思い浮かべながら散策を楽しんでいた。
福井市の男性は「出土品が出た現場で解説を聞くことで、建物や寺院などのイメージが膨らんだ」と話した。