試作した甘酒の味を確かめる生徒=翠星高

試作した甘酒の味を確かめる生徒=翠星高

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翠星高の生徒 酒米の削り粉で甘酒考案

北國新聞(2021年6月10日)

  〈マフィンも作る〉

 翠星高食品科学研究会は9日までに、酒米の削り粉を活用した甘酒を考案した。日本酒の製造では雑味のない味わいにするのに酒米の外側を大きく削るため、大量の米粉が生じる。生徒は削った部分ごとに味わいの異なる3種類を試作し、消費者の健康志向の高まりを意識して砂糖の代わりに甘酒で風味を出したマフィンなどの菓子も作る。将来的な量産を目指し、関心を持つ企業にアイデアを役立ててもらいたい考えだ。

 研究会メンバーで3年の山田真穂さん(17)、丹羽咲絵さん(17)、山下慎二郎さん(17)が開発に取り組んだ。

 3人は2月に吉田酒造店(白山市)の酒蔵を見学し、同社の環境に対する配慮や地元の米へのこだわりを学んだ。社会や環境に配慮した「エシカル商品」を作れないかと、米粉から甘酒を造ることにした。

 米粉は削った部分によって味が異なり、米の外側はぬかの風味が強く、内側ほど雑味が少ない白い粉になる。米粉の一部は煎餅の材料や飼料などとして使われているが、使い道は限られているという。生徒はそれぞれの特徴をつかむため、3種類に分けて試作した。

 最も内側の粉を使った「上白甘酒」は糖度が43度と最も甘く、くせのないすっきりした味わいに仕上がった。外側の「中ぬか」は糖度36度で、ぬかの味や匂いが強かった。中間の「白ぬか」は糖度40度で、ぬかの風味が程よく、菓子などへの加工に向いていることが分かった。

 おかゆにこうじを混ぜる一般的な甘酒と比べ、米粉を水に溶かして作るため、さらっとした液状で飲みやすく、加工にも使いやすいという。米の持つ自然な甘みが生かされており、今後は砂糖の代わりに甘酒を加えたマフィン作りに取り掛かる。

 研究会は甘酒の量産を目指しており、甘酒や菓子の販売に関心を持つ企業があればノウハウを提供する。部長の山田さんは「地元の食材を生かし、健康志向や環境配慮など時代に合った商品を作りたい」と話した。

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