福井県敦賀市曙町の気比神宮の秋の例大祭に向けた最初の神事「牛腸祭(ごちょうさい)」を紹介する企画展が6月11日、同市みなとつるが山車会館で始まった。同祭に招待する書状などから、山車にまつわる祭礼の歴史を伝えている。7月15日まで。
山車巡行への関心を深めてもらおうと企画した。同館によると、江戸時代に始まったとされる神事で、元々、くじで山車の巡行順を決めていた。戦後は翌年の神事の担当区を決めるなどしている。
神事の流れを解説するパネルをはじめ、昭和初期に使われた牛腸祭への招待状の「廻状(かいじょう)」や、気比神宮のご神体を乗せたみこしを担ぐ「御鳳輦(ごほうれん)巡幸」の役割分担を決めたとみられる「犬神人(つるめそ)順番」など5点を展示した。
無料開館日の20日には「気比宮社記」の実物も公開する。同館の堂田英治館長は「山車巡行は有名だが、牛腸祭はあまり知られていない。ここから祭りが始まると知ってほしい」と話している。
今年は新型コロナウイルス感染予防のため、山車巡行は中止したが、16日に牛腸祭は営まれる。