県美術館で9日に開幕した「第13回世界ポスタートリエンナーレトヤマ(IPT)2021」は、新型コロナウイルス禍の厳しい現状を映し出した作品など入賞・入選作、審査員の招待作品計419点がそろった。授賞式と開会式が同館で行われ、審査員が「見応えのある力作が多く、ポスターは今でも影響力があると感じた」などと評価した。
自由テーマの「A部門」と「INVISIBLE」(目に見えない)をテーマとする「B部門」、30歳以下に加えて30歳以上の学生も応募できる新設の「U30+Student部門」で募集。64カ国・地域から過去最多の5943点が寄せられた。国内のグラフィックデザイナーが審査し、入選率は6・7%だった。県内からは9人の計10点が入選した。
授賞式では2次審査を担当した松永真さんと浅葉克己さん、佐藤卓さん、三木健さんのビデオメッセージを上映。三木さんは「コロナ禍という厳しい社会情勢を反映した作品もあった」、浅葉さんは「展覧会では作品の表現を受け止め、じっくりと対峙(たいじ)してほしい」と語った。
新田八朗知事があいさつし、入賞者に賞状と目録を贈呈した。IPTは県立近代美術館時代の1985年に始まり、3年に1度開催している。