福井県福井市の橋南地域で受け継がれている伝統行事「ふくい祇園まつり」は8月28日、同市中心部の足羽川河川敷で開かれる。新型コロナウイルスの影響で2年連続の規模縮小となるが、主催者は「感染拡大が止まらない中、少しでも明るい気持ちになってもらいたい」と疫病退散を祈願する。祈願祭で、市民らが願いを書き込んだ祈願木を盛大に燃やし、祈りの炎に変えて空へと届ける。
ふくい祇園まつりは木田や豊など同市橋南地域の5地区住民でつくる振興会が主催。340年以上伝わる伝統行事で、一時途絶えたが住民が1995年に復活させた。近年は福井フェニックスまつりの共催事業として開いてきたが、フェニックスまつりが新型コロナウイルスの感染拡大で昨年から中止になっているため、規模を縮小して独自開催している。
28日は午後5時から、幸橋上流の足羽川右岸河川敷で「疫病退散祈願祭」を行う。「御神火」と呼ばれるおたきあげは同7時ごろからあり、約1万本の祈願木を燃やして厄よけと無病息災を願う。河川敷の会場に入れるのは関係者のみ。
振興会の会長は「周囲の歩道などからソーシャルディスタンスを保って見てもらえたら」と話している。後日、動画投稿サイト「ユーチューブ」に祈願祭の様子を配信する予定。
祈願木は27日まで、同市の▽ハピリン▽西武福井店▽プリズム福井▽ガレリア元町▽ベル▽橋南地域の神社・公民館-で配布と奉納を行っている。ベルでは21日から専用スペースが設けられ、親子連れが「早く安心して暮らしたい」と願いを書き込んでいた。
山車の巡行は密を避けるため今年も行わず、住民が作った山車4基が祈願祭の会場に展示される。