新型コロナウイルスの影響で「おわら風の盆」が2年連続中止となった富山市八尾町を盛り上げようと、西部トラベル(同市太郎丸西町、村田寛社長)は25日、無料のオンラインツアーを開く。おわらの担い手によるステージや町中心部の散策の様子を配信する。八尾の魅力を広く発信し、コロナ収束後の現地ツアーにもつなげたい考えだ。
オンラインツアーは西部トラベルの創業30周年記念事業の一環として実施する。同社は風の盆の2年連続中止が決まった7月から下見を重ね、越中八尾観光協会などと協力して内容を練ってきた。
おわらの発表の場が失われ、伝統継承が課題となる中、ツアーでは八尾曳山展示館で踊り手や地方衆によるステージをライブ配信。地元の観光ボランティアガイドとともに八尾中心部を巡る様子も中継する。
日常の風景や空気感を伝えることで通年観光につなげる。海外の参加者も募り、インバウンド(訪日外国人客)の回復を目指す。
今回で手応えを得られれば来年、直接現地を訪れてもらうツアーも計画していく。村田社長(56)は「八尾は優れた文化を守り続ける『地域力』の高い場所。国内外の人にその魅力を知ってもらいたい」と話す。オンラインツアーの予約は専用サイト(https://peatix.com/event/2713837/view)から。