川崎順二の書簡などを展示する特別コレクション室=高志の国文学館

川崎順二の書簡などを展示する特別コレクション室=高志の国文学館

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おわら復興の功績紹介 富山で川崎順二と小谷契月没後50年展

北日本新聞(2021年9月20日)

 高志の国文学館(富山市舟橋南町)の特別コレクション室で「翁久允と没後50年 川崎順二・小谷契月」展が開かれている。八尾町に伝わる「おわら風の盆」の復興と発展に大きく貢献し、今年没後50年を迎えた医師・川崎順二と民謡詩人・小谷契月を取り上げ、小説家・翁久允が残した書簡などからその功績に光を当てている。12月中旬まで。

 川崎順二(1898~1971年)は1929年に設立された「越中八尾民謡おわら保存会(現・県民謡越中八尾おわら保存会)」の初代会長。著名な文人を八尾に招いておわら歌詞の制作を依頼し、踊りの改良にも力を注いだ。当時廃れかけていた風の盆を立て直し「おわら中興の祖」と呼ばれる。小谷契月(1902~71年)は優れたおわら歌詞を作り、八尾を代表する文化人として活躍した。

 今回はゆかりの史料14点を展示した。川崎が30年に翁に宛てた書簡は、おわら保存会の刊行物に翁が作ったおわら歌詞の掲載を依頼する内容。小谷が翁に送った年賀状もある。同館の小林加代子学芸員は「翁と川崎、小谷ら八尾の人々の交友が、戦前・戦後のおわら風の盆の歩みとともにあったことを感じてほしい」と話している。

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