10月1日から始まる「勅使河原宏芸術祭」のポスター

10月1日から始まる「勅使河原宏芸術祭」のポスター

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勅使河原宏さん没後20年芸術祭 陶房公開、皿や書も披露

福井新聞(2021年9月27日)

 いけばな草月流第3代家元で、越前焼の花器を作陶していた勅使河原宏さんの没後20年特別企画の芸術祭(福井新聞社後援)が10月1日から、福井県越前町の越前陶芸村で開かれる。映画監督や書家、絵師としても幅広く活躍した勅使河原さん。10日まで、残した作品の数々を展示し足跡や生き方に思いをはせてもらう。

 勅使河原さんは仕事で越前海岸を訪れたとき、県立窯業試験場で陶芸を体験。越前焼に魅了された。1973年、陶芸村内に「草月陶房」を開設。薪窯(まきがま)で自らの花器や皿を手掛けた。陶房には今も国内外から草月流会員が訪れ、花器づくりに励んでいる。

 福井との関係を深めた勅使河原さんは、書をしたためるのに越前和紙を使い、豪雪に耐える陶芸村の竹の姿から「竹のインスタレーション」という芸術も生み出した。芸術祭では、草月陶房を一般に公開。勅使河原さんの拳の跡が残る越前焼の皿や、書き損じの書作品などを展示する。陶芸公園芝生広場では、26日から草月流の福井県支部や本部のスタッフが計180本の真竹を使ったインスタレーション2作品を制作。芸術祭のシンボルにする。

 越前古窯博物館旧水野家住宅では、草月流会員の生け花作品を1~3日と8~10日に分けて展示。同館天心堂では9、10の両日、ミニ花器の陶芸や生け花の体験ワークショップを開く。また2、3日には勅使河原さんが監督した映画「利休」と「豪姫」を上映する。

 県などが文化庁の助成を受けて開催。問い合わせは県陶芸館=電話0778(32)3262。

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