入れたてのコーヒーを手渡す二俣さん

入れたてのコーヒーを手渡す二俣さん

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おいしいコーヒー移動販売 二俣さん教員志望一転 新たな挑戦

北日本新聞(2021年9月29日)

 富山大人間発達科学部を今春卒業した二俣敢さん(22)=富山市太田向陽台=は、移動販売車のオーナーとなり、県内各地で入れたてのコーヒーを提供している。元々は教員志望だったが、学生時代にコーヒーの奥深い魅力に引き込まれ、仕事として選んだ。「自宅や学校にはない居心地の良い空間をつくっていきたい」と充実した表情を見せる。

 名古屋市出身の二俣さんは、大学進学を機に県内に移り住んだ。新しい環境に早くなじもうと、30ほどのサークルに参加し、最も興味を引いたのがコーヒー愛好者が集まるサークルだった。先輩たちからコーヒーの入れ方を学び、自家焙煎(ばいせん)にも挑戦した。友人らに振る舞い、おいしそうに飲む姿を見るとうれしくなったという。

 教員の道かコーヒー店の経営か-。進路に悩みながらも、4年の春に移動販売車のオーナーになることを決意した。卒業論文のテーマで家庭や職場とは異なる居心地の良い空間「サードプレイス」について理解を深めたことが大きく、県内各地にほっとできる場所をつくろうと思い立った。

 開店に向けて在学中にインターネットで中古の軽ライトバンを購入。卒業までに看板や道具をそろえ、食品衛生に関わる資格も取得した。

 移動販売車の名前は「かんのくるま」で、ことし6月から営業を始めた。メニューはホットとアイスコーヒー、アイスカフェオレの3種類で、季節ごとに豆を変えていく。

 富山市諏訪川原のゲストハウス「寄処(よすが)」や砺波市宮森の「みやの森カフェ」、高岡市オフィスパークなど学生時代に縁のあった県内8カ所で週5日程度、移動販売している。今月中旬には寄処の前で、入れたてのコーヒーを提供した。

 二俣さんは「お世話になった富山に恩返ししたい。お客さん同士で交流が生まれるような明るい場所になればうれしい」と話した。

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