休耕田に立つ「ボラ待ち櫓」からまかれる餅を拾う住民=珠洲市若山町北山

休耕田に立つ「ボラ待ち櫓」からまかれる餅を拾う住民=珠洲市若山町北山

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最後の週末、4万人突破 地元「何度でも来て」 5日まで ボラ待ち櫓で餅まき〈奥能登国際芸術祭2020+〉

北國新聞(2021年10月31日)

 11月5日まで珠洲市で開催中の奥能登国際芸術祭2020+(プラス)(北國新聞社特別協力)は30日、最後の週末を迎え、鑑賞客数が累計4万人に達した。上黒丸地域では作品制作の一環で地元住民が古道を散策し、鉢ケ崎海岸では地元有志が砂浜にスタンプを押す作品を動かし、模様を形作った。清水町の展示会場は1万人目の来場者を迎え、スタッフは「会期は残りわずかとなったが、何度でも足を運んでほしい」と期待した。

 上黒丸地域では「チームKAMIKURO」の作家5人が、共同制作として旧上黒丸小中学校に秀作を寄せている。このうち、坂巻正美氏が手掛けたのは古道などをたどって大きな丸を描く実践的な作品で、30日は地元住民が古道を散策した。

 途中の若山町北山では2017年に坂巻氏が制作した休耕田に立つ「ボラ待ち櫓(やぐら)」から、集まった住民に餅がまかれた。坂巻氏は古道の草刈りに協力を受けた住民に感謝した。

 フェルナンド・フォグリノ氏(ウルグアイ)の作品が展示されている鉢ケ崎海岸では、リモート制作に関わった地元有志が作品を動かし、砂浜に押したスタンプを初披露した。

 作品を動かすと、車輪状の部分に施された古い珠洲焼に見られる意匠が砂上に転写された。鑑賞客は「作品が動かされるのを見られてラッキー」と話し、記念写真に納まった。

  ●塩田氏の作品は1万人

 清水町の旧清水保育所で展示されている塩田千春氏の作品「時を運ぶ船」にも大勢の人が訪れ、来場者が1万人を超えた。

 1万人目は能美市の干場久嗣さん(46)の長女凜子ちゃん(3)で、清水地区の住民でつくる「清水喜楽会」から記念品が贈られた。干場さんは「絶対に見たい作品だった。良い思い出になった」、記念品を渡した南昭義会長(80)は「たくさんの人に来てもらえてうれしい」と話した。

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