ラムサール条約に登録されている福井県敦賀市樫曲の中池見湿地について、登録の国際基準に照らして重要な湿地であることを伝えるパネル展のテーマがこのほど、模様替えされた。同湿地が、希少な渡り鳥「ノジコ」に対して担う役割などを紹介している。
同市中央町1丁目のMEGAドン・キホーテUNY敦賀店3階にNPO法人ウエットランド中池見による常設展示コーナーがある。今回は条約登録の国際的な基準のうち「絶滅の恐れのある種や群集を支えている湿地」がテーマ。中池見湿地は、絶滅の恐れがあるノジコの渡り中継地であることが基準に該当する。
ノジコは全長14センチほどの陸鳥で、環境省準絶滅危惧、県絶滅危惧2類に指定されている。本州中部から北部の限られた地域で繁殖し、冬場は南下して暖かい地域で過ごす。中池見湿地では4、5月と10、11月の渡りの季節に確認されている。渡りの途中で、餌場やねぐらとしてしばらく滞在しているとみられる。同法人会員がミゾソバの花をついばむ様子をとらえた珍しい写真や、渡り推測ルートマップなどを紹介している。
同法人事務局の男性は「小さな鳥など生き物にとって貴重な場所が、市街地のすぐ近くにあることを知ってもらえたら」と話している。