福井県敦賀市立博物館の所蔵品を展示する「敦賀コレクション逸品公開『冬の絵画』」が1月18日、同館で始まった。雪をテーマにした掛け軸2点が並んでいる。2月22日まで。
木挽町狩野派の6代目当主で、江戸幕府専属の絵師だった狩野栄川院典信の「雪中鷺図」は対幅になっている。右幅に木の上に直立する1羽の白鷺、左幅に水辺にたたずむ白鷺2羽が描かれている。深々と積もる雪と鷺の白さから冬の冷たい空気感が伝わってくる。
「雪中大原女図」は幕末に活躍し、平安時代から続く日本の伝統画法「大和絵」の復興に尽力した浮田一蕙の作品。大原女とは、京都大原から薪や炭を京の町に売りに行く行商の女性を指す。雪深い中、大原女が馬を引いて進む姿を繊細な柔らかい線で表している。
学芸員は「2作品の違いを楽しんでほしい。雪かきなどで大変な思いをしている人も多いと思うので、作品の中の雪の美しさを見て癒やされてほしい」と話していた。
入館料は一般300円、高校生以下無料。毎週月曜休館。