白山市若宮1丁目の若宮八幡宮で7日、しだれ桜「ヤエベニシダレ」が見頃を迎えた。5年前には木が衰えて花の数が減ったが、柏木信勝宮司が肥料やお神酒、木の灰などを与えたところ、樹勢が回復し、花の数も戻ってきた。花の盛りを取り戻した境内のシンボルを多くの人に楽しんでもらいたいと、8日から夜のライトアップを行う。
しだれ桜は1959(昭和34)年、先代の宮司、柏木徳勝さんによって苗木3本が植えられた。高さは8メートルほどで、花の時期は濃いピンク色に彩られた木が境内の池に映り込み、美しい情景を描き出す。
5年前に花の数が減ったため、柏木宮司は春と秋の年2回、肥料や神前に供えられた日本酒、灰などをしだれ桜の根元に与えている。
定期的にしだれ桜の手入れをしている市内の造園業者らによると、松などの木は、かん冷まし日本酒をかけると葉に艶が出ると言われている。日本酒の中の糖分が木の養分となる可能性があると指摘されている。ただ、桜の木に日本酒が有用か否かは未知数という。
若宮八幡宮には昨年、新しいしだれ桜の苗木4本も植えられた。今後2週間近く桜が楽しめる見込み。8~17日の午後6時半~同9時に境内の照明をつけて参拝者に開放する柏木宮司は「多くの人が、心を和ませてくれればうれしい」と話した。