毎年7月に七尾市能登島向田町で開催され、日本三大火祭りの一つに数えられる石川県無形民俗文化財「向田(こうだ)の火祭(ひまつり)」で、柱松明(はしらたいまつ)に火をともす恒例行事が3年ぶりに再開されることが10日決まった。過去2年間は新型コロナの感染防止対策で神事のみだったが、市内では「青柏祭(せいはくさい)」の山車「でか山」が3年ぶりに巡行されるなど制限が緩和されてきており、能登島の夏の風物詩が復活することになった。
地元向田町会が役員会を開き決定した。感染防止のため、祭りの規模縮小や、準備作業に児童生徒を加えないこと、柱松明を小さくすることを求める意見が出された。今後、祭礼委員会で詳細を協議し、6月中旬に再度役員会を開いて正式決定する。
向田の火祭は毎年7月の最終土曜に行われ、今年は30日の予定。地元の伊夜比咩(いやひめ)神社で神事が執り行われ、神輿(みこし)と奉燈が連なって高さ約30メートルの柱松明の回りを7周する。柱松明に若衆や観光客が手松明を投げ入れると火柱が上がり、山側に倒れると豊作、海側なら豊漁になると伝わる。
青山博町会長(68)は「みんなが納得できる形で開催できるように話し合いを進めたい」と話した。