本番を前に住民に人形山車が披露された渡り初め=5月14日、福井県坂井市三国町北本町3丁目

本番を前に住民に人形山車が披露された渡り初め=5月14日、福井県坂井市三国町北本町3丁目

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迫力山車7基、一足先に「渡り初め」 三国祭19日開幕

福井新聞(2022年5月16日)

 5月19日に開幕する福井県坂井市三国町の「三国祭」を前に、完成した人形山車(やま)を地元住民に披露する「渡り初め」が14日同町で行われた。囃子方(はやしかた)を乗せた7基の山車が練り、町は一足早く祭りムードに包まれた。

 今年は森町区の「上杉謙信」、玉井区の「浅井長政」、滝本区の「柴田勝家」、下新区の「北条義時」、元新区の「"暫"鎌倉権五郎景正」、旭区の「真柄十郎左衛門 直隆・隆基父子」、三国祭保存振興会の「伊達政宗」の7基が渡り初めを行った。

 このうち、下新区では住民ら約40人が曳(ひ)き手として集まった。キシキシと歴史の重みを感じさせる音を立てて山車は練り歩き、本番では通らない細い道も電線を避けながら回った。子どもたちが元気にたたく太鼓は、三味線や笛の音とともに旧市街地に響いていた。

 同区は今回、8年ぶりの山車当番区となる。人口減少や少子高齢化の影響で戸数13軒のみとなったが、区長は「少ないながらもみんなで協力し、気合を入れて町内全域を回りたい」と語った。

 お囃子の音色を聴いた住民は玄関から顔を出し、観光客は足を止め練り歩く山車に見入った。

 軒先で渡り初めを見守った女性は「間近で山車を見るとやっぱいい、誇らしい。祭りの始まりを感じる」と話した。

 山車は18日まで各山車蔵で展示する。19日午後6時半からは初の前夜祭「宵山車」が行われ、20日(中日)の山車巡行は午後1時に三國神社を出発する。

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