南砺市五箇山の世界遺産、合掌造り集落を撮り続けている東京都のアマチュアカメラマン、奈雲(なぐも)誠さん(53)は、訪問が200回に達した。これまで四季折々の風景や住民の暮らしぶりなど14万枚以上を撮影。「かやぶき屋根のたたずまいが気に入っている。これからも五箇山を撮り続けたい」と意気込んでいる。
2007年、岐阜県白川郷の合掌造り集落ライトアップの撮影で、かやぶき屋根の家屋に魅了された。その後、五箇山にも合掌造り集落があると知って訪れたところ、白川郷より生活感が漂っていることに感動。以来、通い続けている。
作品はコンテストに出品したり、写真誌に掲載されたりしている。20年には、国内でレベルが高い日本写真家協会の公募展「JPS展」で入選した。写真集を自費出版したほか、五箇山和紙にプリントした卓上カレンダーの製作も手掛けた。
撮影に来る際は、相倉合掌造り集落(平)にある民宿に宿泊して住民と話したり、地元の食を楽しんだりしている。ただ、新型コロナウイルス感染拡大で昨年9月までの約10カ月間は訪問できず「悶々としていた」と振り返る。
感染が落ち着いて撮影を再開し、200回目となった今回は20~22日に滞在。相倉で行われた棚田の田植えの様子を、地元の平地域づくり協議会から依頼を受け記録用として撮影した。奈雲さんは「地域住民が温かい気持ちで接してくれたことが200回につながった。五箇山が大好きなので、いずれ移住できたらいい」と話している。