復刻発行した八ヶ寺の印譜。全てそろえると、記念品のしおりセット(手前)がプレゼントされる=福井県小浜市の若狭おばま観光案内所

復刻発行した八ヶ寺の印譜。全てそろえると、記念品のしおりセット(手前)がプレゼントされる=福井県小浜市の若狭おばま観光案内所

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福井県小浜市の「八ケ寺」巡って 「印譜」を復刻発行

福井新聞(2022年6月7日)

 国宝や国の重要文化財などに指定されている古刹(こさつ)を中心とした福井県小浜市内の八つの寺院「八ケ寺」の魅力を広めようと、市の第三セクターと寺がPRに力を入れている。各寺やモデルコースを紹介する専用サイトを立ち上げ、八つの寺のはんこを集めて周遊を促す「印譜」を復刻発行した。関係者は「貴重な文化財巡りを多くの人に楽しんでもらいたい」と期待を込めている。

 市の第三セクターまちづくり小浜は昨秋、八ケ寺の情報を一括して把握できるサイトを新設。各寺の歴史や見どころのほか、滞在時間に合わせた回り方などを詳しく紹介している。

 印譜は、善心が育つ過程を植物の成長に例えた仏教の考え方の一つ「八心」になぞらえて、八つの寺を巡ってはんこを集める。B4サイズの両面刷りで、観音開きとなっており、ハスの花が描かれた背景に、はんこを押す約2センチ四方の空白が八つ設けられている。裏面は、各寺の国宝や重要文化財をイラスト付きで説明し、簡単なマップも掲載している。

 印譜はもともと、八つの寺でつくる持宝会が20年以上前に作製し、各寺で販売していた。マップを更新してまちづくり小浜が復刻発行し、今年から各寺と市内の観光案内所で1部300円で販売している。はんこを全てそろえると、記念品として各寺の仏像などのイラストをデザインした特製のしおり8枚セットがプレゼントされる。

 かつてはバスツアーを中心に多くの観光客が八ケ寺巡りを楽しんだが、コロナ禍の影響もあって寺離れが進み、近年は減少傾向にある。まちづくり小浜の担当者は「貴重な文化財を間近にお参りできるのが八ケ寺の魅力の一つ。サイトや印譜を入り口に、訪れる人が増えれば」と話した。

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