カメラを前に、太鼓や笛を鳴らす囃子方=高岡御車山会館

カメラを前に、太鼓や笛を鳴らす囃子方=高岡御車山会館

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伝統継承へお囃子DVD制作 高岡御車山保存会

北日本新聞(2022年6月20日)

 高岡市中心部で例年5月1日に行われる「高岡御車山(みくるまやま)祭」の継承を目的に、高岡御車山保存会がお囃子(はやし)の演奏を収めたDVDの制作に取り組んでいる。19日は、三つの山町の囃子方が高岡御車山会館で収録した。7月3日までに全7町の撮影を終え、11月頃に完成する見込み。お囃子を含め数種類のDVDを作る。

 祭りは高岡関野神社の春季例大祭に合わせて行われている。国重要有形・無形民俗文化財で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録されている。

 DVDの制作は、祭りの保存継承や後継者育成に役立てようと企画。お囃子のほか祭りの紹介、山車の組み立て作業など数種類を制作する。文化庁からの補助金約3300万円のうち1千万円を活用し、年度内の完成を目指す。

 お囃子の撮影は4月下旬から進めており、19日は守山町、御馬出(おんまだし)町、通(とおり)町の3町が収録に臨んだ。囃子方が笛や太鼓、鉦(かね)を鳴らし、市内の映像制作会社がカメラ2台で撮影。笛の指の細かな動きなども捉えた。守山町の囃子方の世話役を務める山崎栄樹(しげき)さん(73)は「お囃子は見て聞いて覚えるため年々曲調が変わる。その変遷は面白みでもあるが、今の囃子を伝えていくことも大事」と語る。

 祭りは新型コロナウイルス禍で2020年、21年と中止となり、今年は3年ぶりに実施する予定だったが雨で中止となった。高岡御車山保存会の中村喜進会長(79)は「伝統行事は空白期間ができると継承が難しくなる。形に残すことで祭りを正確に後世に伝えるとともに、後進の指導にも活用したい」と話す。

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