精巧に作られたボンボニエールが並ぶ夏季特別陳列=福井県福井市立郷土歴史博物館

精巧に作られたボンボニエールが並ぶ夏季特別陳列=福井県福井市立郷土歴史博物館

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時代映すボンボニエールを紹介 福井市立郷土歴史博物館

福井新聞(2022年8月12日)

 皇室の慶事などで記念品として配られた手のひらサイズの菓子器「ボンボニエール」を紹介する福井県福井市立郷土歴史博物館の夏季特別陳列が、同館で開かれている。天皇即位の儀式で使用される調度や雅楽器のミニチュアのほか、打ち出の小づち形や鳥かご形など工芸の美しさが詰め込まれた約80点が並ぶ。8月28日まで。

 ボンボニエールは皇室の慶事のほか、海外からの賓客を迎えた際の会食で出席者に記念品として配られた。国と国、人と人の絆を示すものであり、さまざまな思いや物語が詰まっていることを紹介しようと今回の展示を企画した。

 展示品は福井藩主松平春嶽の嫡男慶民が、宮内省(現宮内庁)に勤めていた36年間で下賜されたもの。大正―昭和期の作で、慶民が下賜された時期などを記した由緒札が付いている。

 展示は▽即位大礼▽外交▽人生儀礼-などに分けて紹介。現在の上皇さまが誕生した際の祝宴で拝領したとされる「犬張子(いぬはりこ)形ボンボニエール」は、愛らしい姿ながら技巧の光る逸品。ほとんどの素材は銀だが、太平洋戦争期には木や陶磁器になっているほか、形も砲弾をモチーフにしたものもあり、時代の影響が感じられる。

 展示の担当者は「繊細な作りを見て、何が表現されているのか、一つ一つにまつわるエピソードと合わせて楽しんで」と話していた。

 午前9時~午後7時。観覧料は220円で、70歳以上と中学生以下、障がい者手帳保持者は無料。21日午前10時半からギャラリートークがある。問い合わせは同館=電話0776(21)0489。

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