福井県勝山市鹿谷町のブータンミュージアム設立10周年を記念するイベント「ブータン王国から、これからの幸せを考えよう」(福井新聞社後援)が10月9日、勝山市民会館で開かれた。参加者は、パネルディスカッションなどを通して、経済性よりも精神的な豊かさを重視する国民総幸福量(GNH)を基に国づくりを進めるブータンへの理解を深めた。
ミュージアムは、2011年にブータン国王夫妻が来日したのを機に設立されたNPO法人「幸福の国」が12年11月に福井市に開き、20年10月に勝山市に移転した。
イベントは同NPOが主催し、約100人が参加。水上実喜夫市長や県立大の高野翔准教授ら6人が登壇し、「仕事のためにプライベートを犠牲にすることを美徳としてきた日本も、ブータンのような個人の幸福を大切にする考え方に変わっていく必要がある」「自分と違う価値観を持つ人と出会ったとき、互いを尊重できる社会を目指していくべきだ」などと意見を交わした。
水上市長は「幸せの基準は人それぞれ。勝山もさまざまな人の居場所になれる魅力的な地域にしていきたい」と話していた。