●奥佐さん開業、空き家改築

　珠洲市上戸町南方で１日、整体院にキャンプ場とカフェを備えた施設がオープンした。能登半島の先端にバイクで訪れるツーリング客を癒やすため、奥佐将司さん（４５）＝同市正院町正院＝が自らの手で空き家を改築した。珠洲産の野菜を用いた料理の提供に加え、長旅で疲労を感じている客へのマッサージなども通して、食と自然豊かな「さいはての旅」を存分に満喫してもらう。

　整体院とキャンプ場、飲食店が一つとなった施設は県内でも珍しく、バイク好きの奥佐さんが昨年１０月から出店計画を練ってきた。珠洲は他の市町に比べて「ライダーが気軽に飲食したり、寝泊まりしたりする場所が少ない」と感じていたという。

　「アナーキー」と名付けた施設には、大型バイクを６台ほど駐車することができる。屋外キャンプ場は約１０人の利用が可能で、屋内の約７０坪の飲食スペースには、カウンター６席とテーブル３０席がある。

　１日はオープンと同時に客が訪れ、野菜をふんだんにつかったハンバーガーやカレーに舌鼓を打った。夜はバーとして店を開け、さまざまな酒を提供する。

　県内では、全国のライダーが太平洋側から羽咋市千里浜海岸を目指す「サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー（ＳＳＴＲ）」（北國新聞社後援）が人気を集めている。参加者が千里浜から奥能登にバイクを走らせることも少なくなく、地元住民からは「多くの人が訪れることに期待したい」との声が聞かれた。

　奥佐さんは日本各地の人と交流を深め、珠洲の魅力をアピールしたいとし、「旅の疲れを癒やせる施設が珠洲にあることを売り込んでいきたい」と話した。