南砺市のJR福光駅舎で待合室の改修工事が進められている。一角にあったコンビニ店跡を活用して園児や児童らの作品展示などを行う貸しスペースを設ける。新たな待合室の目玉展示として板画家、棟方志功の複製画を天井に飾ることになり、16日は取り付け作業が行われた。待合室は19日から利用できる。
待合室は54平方メートルあり、コンビニ店はこの一角に2014年まで入居していた。撤退後、このスペースは倉庫のような状態になっていた。18年から駅舎を管理している福光タクシーが有効活用しようと、改修して貸しスペースにすると決めた。
改修工事は9月末から開始。壁面や天井の一部に県産のスギ板を使用し、木のぬくもりが感じられる空間にした。エアコンや長いすなども用意、観光案内用のカウンターも設ける。改修費は約720万円。
天井に飾るのは棟方が福光で暮らしていた際に制作した板画「四神板経天井画柵(しじんはんぎょうてんじょうがさく)・天妃鼓笛(てんひこてき)す」(福光美術館蔵)の複製画(縦横とも108センチ)。福光文化協会の尾山章会長が複製画の展示についてアドバイスし、棟方の孫で棟方研究家の石井頼子さんが協力した。16日は業者が複製画2枚を天井に取り付けた。
待合室の利用時間は午前7時~午後7時。福光タクシーの武田隆啓社長は「来年は棟方生誕120年。天井画や貸しスペースなどを通じて、福光地域のさまざまな魅力を発信する拠点にしていきたい」と話している。