社名変更や新酒のラインアップを発表した田中社長(右から2人目)や坂本杜氏(右)

社名変更や新酒のラインアップを発表した田中社長(右から2人目)や坂本杜氏(右)

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「魚津酒造」に社名変更 魚津の本江酒造、純米3ブランド展開

北日本新聞(2022年12月2日)

 事業承継による経営再建を目指している本江酒造(魚津市本江新町、田中文悟社長)は1日、「魚津酒造」に改称した。改称を契機に市内唯一の酒蔵であることをPRし、国内外への発信力を強化。醸造アルコールを添加しない全量純米蔵に切り替え、旧酒造から引き継ぐ主力銘柄のほか、新たに立ち上げた特約店限定品の計3ブランド19品種を展開する。初しぼり発売を6日に控え、市役所で開いた新酒発表会で販売方針を示した。

 1925年創業の本江酒造は10期連続で赤字が続いたため、今春、酒蔵再建を手がける日本酒キャピタル(東京)の傘下に入り、事業承継した。この日の新酒発表会で、田中社長は社名変更について「酒蔵再生だけではなく、魚津の名を国内外にアピールしていく思いを込めた」と説明。同席した村椿晃市長は「魚津を売り込むために市も協力していく」と語った。

 全量無ろ過原酒・瓶貯蔵の品質にするため、4月以降に洗米機や蒸気釜、こうじ室(むろ)など設備を大幅に改修。皇国晴酒造(黒部市)など県内外5酒蔵で実績のある坂本克己さん(51)を杜氏(とうじ)に迎え、11月から蔵人5人で醸造を開始した。

 販売銘柄は約30種類から3ブランド19種類に絞り、価格は一升瓶で2200円~1万1千円。「北洋」(5種)は全国展開し、「蜃気楼(しんきろう)の見える街」(4種)は県内限定酒とする。「帆波(ほなみ)」(10種)は特約店限定品と位置づけ、魚津産など原料米に変化をつけたシリーズを順次発売する。

 6日に発売する「蜃気楼の見える街」、「帆波」の初しぼりは、それぞれ一升瓶と四合瓶で計約2600本の出荷を見込む。田中社長は「魚津の酒蔵として、市民やファンの誇りとなるように成長していきたい」と話した。

 同社と市は2日午後5時半から、魚津駅前で新酒と魚津産ベニズワイガニを振る舞う「新酒とカニ祭り」を開く。

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