的に狙いを定める当番の男性=2月1日、福井県小浜市次吉の一言神社

的に狙いを定める当番の男性=2月1日、福井県小浜市次吉の一言神社

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息災願い矢放つ〝鬼退治〟成功 小浜市で弓打ち神事

福井新聞(2023年2月2日)

 福井県小浜市次吉の一言神社で2月1日、弓打ち神事が営まれた。鬼に見立てた的に向かって住民2人が交互に矢を放ち、家内安全や無病息災などを祈願。途中で弓が壊れるハプニングに見舞われたが、23本目で待望の"鬼退治"を成功させた。

 同神社の例大祭に合わせ、毎年2月1日に営まれている。区内の男性が持ち回りで射手を担当する習わしで、今年は吉井さんと東さんが務めた。

 かみしもに身を包んだ2人は、まずお神酒を口にして体を清めた。5センチほどのクリの木の木片を、家に見立てて円すい状に組み立てる儀式を行った後、いよいよ弓打ちへ。的から5メートルほどの場所に立ち、住民が毎年手作りする竹の弓矢を構えた。

 的は直径約80センチ。中央の黒色の円(直径約20センチ)の裏には「鬼」と書かれており、鬼を酔わせるため甘酒をかけたあと、円を打ち抜くまで交代で矢を放ち続けた。

 中央の円近くに矢が当たると、集まった住民約10人が「もうちょっと」「いい感じや」と鼓舞。しかし、力が入ったためか用意した弓が二つとも壊れてしまい、最後は東さんが矢を手で持って直接円に突き刺した。

 不測の事態となったが、くしくも2023年にちなみ狙っていた23本目で成功となり、住民にも笑顔が広がった。吉井さんは「今年も区のみんなが健康で安全に過ごしてほしい」と願いを込めた。

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