近未来を舞台に、心に傷を抱えた男性と壊れかけのロボットとの交流を描いた劇団四季オリジナルミュージカル作品「ロボット・イン・ザ・ガーデン」の福井公演(福井新聞社主催)が7月26日、福井県福井市のフェニックス・プラザで開かれる。公演を前に出演俳優3人がリモート会見に臨み「明日を生きようとの活力が少し湧くような作品」と魅力を語った。
アンドロイドが家事や仕事をする時代、両親を亡くして無気力になったベンのもとに、壊れかけのロボット・タングが現れる。ベンとタングは旅行を通し、絆を強めともに成長する、というストーリー。タングは2人の俳優がパペットを操り演じる。
イギリスの作家が2015年に発表した同名の小説を原作に、16年ぶりの劇団オリジナルミュージカルとして制作した。20年の初演以降、高い評価を受けており、主要都市公演を重ね今月から全国公演をスタートさせた。
会見にはベン役の田邊真也さんとタング役の生形理菜さん、渡邊寛中さんが出席した。新型コロナウイルスが大きな影を落としたこの2年、稽古もままならない中で芝居をつくる過程で「改めてそばに人がいるありがたさや人との関わりの大切さを実感した」と田邊さん。上演を通し「コロナ下で奪われ枯渇していたものと、作品で伝えたいものが一致した」と語る。
パペットを操りタングに命を吹き込む2人には、あうんの呼吸が求められたという。タングを演じる上で長時間向き合った結果、渡邊さんは「家族ではしないようなけんかもして、家族よりも信頼できる相棒になった」と生形さんについて語る。生形さんはタングを「純粋無垢(むく)でピュア」と評し、「見落としていた、日々のちょっとしたきらめきをタングの瞳を通して感じて楽しんでいる」と話す。
劇団四季ならではの、オリジナルの楽曲や華やかな演出も見どころ。田邊さんは「全国の皆さんにこの仲間の素晴らしい力をみていただき、生きる力や前を向く力を感じてもらいたい」と話していた。
午後6時半開演。チケット販売開始は5月21日。S席9900円、A席6600円、B席3300円。プレイガイドは劇団のサイトや福井新聞読者センターなど。
お問い合わせは 劇団四季全国ツアー公演=電話0570(008)110。
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