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肉筆浮世絵にみる四季の愉しみ~お茶道具を添えて

福井新聞

 一介のサラリーマンでありながら生活を切り詰めて資金を捻出し、卓越した審美眼で美術品の収集に人生をささげた熊本県のコレクター今西菊松さん(1913~87年)のコレクションを紹介する「肉筆浮世絵にみる四季の愉(たの)しみ~お茶道具を添えて」(福井新聞社共催)が7月30日、福井県小浜市の県立若狭歴史博物館で開幕する。葛飾北斎や歌川広重の肉筆による"一点もの"の浮世絵から人間国宝の工芸品まで逸品70点が並ぶ。

 今西さんは熊本のちくわ屋に生まれ、35年にNHK熊本中央放送局に就職。招集され満州で終戦を迎え、ソ連抑留を経て帰国。NHKに復職した。

 転勤話と縁談は頑として拒み、姉の家に居候。衣服は職場の支給品だけを着続け、風呂も職場で済ませ、食費も節約。禁欲的な生活と引き換えに古美術商を巡り、肉筆浮世絵や茶道具、陶磁器、漆工芸、人形をこつこつと買い集めた。

 収集品は非営利で美術館や高校の文化祭に貸し出し、美の価値を独り占めしなかった。若い作家の発掘にも熱心で、わずかずつでも定期的に資金援助。その中には、後に人間国宝になる工芸作家もいた。

 真贋の目利きは確かで、品のよい作風を好んで収集。その大半の約400点が死後、遺族から熊本県立美術館に寄贈された。姪の一人、赤﨑さんが小浜市に住んでおり、かねてより小浜展を熱望。若狭歴史博物館が思いをくみ、実現にこぎつけた。

 見どころは、端午の節句の絵柄で知られる魔よけの神を描いた北斎の「鍾馗図」、恋文を正月の縁起物として売り歩く男を描いた広重の「懸想文売り図」など、今西さん好みの季節の風物詩に題材を採った肉筆浮世絵の数々。コレクター垂ぜんの逸品とされる桃山時代の陶器「鼠志野草文向付」、人形作家平田郷陽や漆芸家増村益城ら人間国宝の名品も並ぶ。

 これら熊本県立美術館の今西コレクション63点に加え、赤﨑さん所有の今西さんの筆による屏風絵など、親族から借り受けた7点も特別展示する。

 生前の今西さんを知る赤﨑さんは「日本の美術品が海外に散逸するのが耐えられなかったらしい」と回想する。「食うものも食わずに美術品を集めるのは誰でもできることじゃない。そんな人間がいたことを知ってほしい」

 8月7日午後1時半から熊本県立美術館の学芸員の講演がある(要申し込み)。会期は同28日まで。一般600円、高校生300円、小中学生200円。障害者と介助者は半額。県立若狭歴史博物館=電話0770(56)0525。


主催者の都合や天候等により、催しの予定が変更されることがあります。ご利用の際は、主催者等に必ずご確認ください。

詳細情報

期間
2022年7月30日~2022年8月28日
時間
9:00~17:00(入館は16:30まで)
会場
県立若狭歴史博物館
住所
917-0241 福井県小浜市遠敷2丁目104
地図
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料金
一般:600円
高校生:300円
小中学生:200円
障害者と介助者:半額
リンク
福井のイベント情報は「ふうぷらす」⇒ https://www.fukuishimbun.co.jp/feature/fu/
問い合わせ先
県立若狭歴史博物館
【電話】0770(56)0525
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