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「長岡の花火」(貼り絵、1950年)©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2022

「長岡の花火」(貼り絵、1950年)©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2022

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山下清展 百年目の大回想

福井新聞

 "放浪の天才画家"山下清(1922~71年)の生誕100年を記念した「山下清展 百年目の大回想」(福井市美術館、福井新聞社、福井テレビでつくる実行委員会主催)が9月3日、同美術館で開幕する。緻密な超絶技巧の貼り絵や温かい作風のペン画で日本の原風景を切り取ってきた昭和を代表する画家の実像に迫る。

 東京・浅草に生まれた山下清は幼い頃に大病を患い、言語障害(吃音(きつおん))を発症。軽度の知的障害もあった。12歳で千葉県の養護施設「八幡学園」に入園、授業で取り組んだ「ちぎり絵」に夢中になる。作品は、こより状にした紙を貼る独自技巧を取り入れた「貼り絵」へと進化した。

 1940年、18歳の清は突如、学園を脱走した。徴兵への恐怖があったとされ、全国を点々とする。テレビドラマで描かれた清は旅先で貼り絵を作るが、実際は放浪と放浪の合間に時折、学園や実家に戻った際に描いていた。

 人並み外れた記憶力で脳裏に焼き付けた風景を克明に貼り絵で再現した。群衆一人一人の頭や服装まで徹底描写し、漆黒の夜空に花開く大輪を細いこよりで表した「長岡の花火」、好んでモチーフにした「桜島」...。戦後復興から高度成長に至る過程で変容を遂げる日本社会にあって、のどかな原風景を訪ね歩いた経験は多くの傑作を生んだ。

 53年に米誌「ライフ」が「天才」として取り上げ、翌年に朝日新聞が捜索を呼び掛ける記事を掲載。鹿児島で見つかり、14年の放浪に幕を下ろす。時の人となった清は、学園顧問で精神科医の式場隆三郎氏の後押しで56年に東京・大丸百貨店で個展を開催。1カ月弱で80万人を集めた。

 「日本のゴッホ」「裸の大将」。キャッチコピーが躍るブームの中、メディアによってキャラクターが誇張され、独り歩きすることに清は葛藤を抱いていたとされる。映画で描かれた上半身裸のイメージを払拭しようと、外出時はベレー帽にジャケット、スラックス姿だった。本人の個性にスポットが当たる半面、作品の美術的評価は十分になされてこなかった。

 作家の実像と作品の芸術性に迫る今回の展覧会は、福井市美術館の最多記録5万2646人を動員した2012年以来の福井展。幼少期の鉛筆画、学園時代や放浪期の貼り絵、欧州をスケッチ旅行した円熟期のペン画や水彩画、晩年の東海道五十三次の版画まで約190点に加え、放浪中の子細を書いた日記帳やリュックサックなども並ぶ。

 会期は11月6日まで(休館日あり)。前売り券(一般1千円)を9月2日まで販売中。当日券は一般1200円、高校大学生800円、小中学生500円。福井市美術館=電話0776(33)2990、福井新聞社営業事業局=電話0776(57)5180。


【関連イベント】

 9月18日午後2時から、山下清の甥の山下浩さん(山下清作品管理事務所代表)が「家族が語る山下清」と題し講演する。聴講無料、要観覧券。福井市美術館ホームページから、またははがきで同6日までに申し込む。定員40人。応募多数の場合は抽選。

 9月24日、10月1、9、16日には午後2時から学芸員のギャラリートークがある。要観覧券。

 会期中、1階子どもアトリエで貼り絵作りが体験できる。観覧券があれば無料(2回目以降は100円)。作品は会期後に審査し、上位数点を表彰する。


主催者の都合や天候等により、催しの予定が変更されることがあります。ご利用の際は、主催者等に必ずご確認ください。

詳細情報

期間
2022年9月3日~2022年11月6日
時間
9:00~17:15
会場
福井市美術館
住所
〒918-8112 福井県福井市下馬3丁目1111
地図
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料金
前売り券(一般:1000円)を9月2日まで販売
当日券 一般:1200円
    高校大学生:800円
    小中学生:500円
リンク
福井のイベント情報は「ふうぷらす」⇒ https://www.fukuishimbun.co.jp/feature/fu/
問い合わせ先
福井市美術館
【電話】0776(33)2990
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