新潟県阿賀野市久保の遊園地サントピアワールドが、新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに展開してきた低コストのアイデア企画「ぎりぎりアトラクション!」を勢ぞろいさせる取り組みを始めた。2023年は猛暑で客足が鈍り、経営は「まだぎりぎり」。既存のアトラクションにあの手この手の一工夫で、来園者を楽しませている。
サントピアワールドは2020年、感染症の影響で大打撃を受けた。「ぎりぎりアトラクション」はこのとき、「来てくれないと、つぶれるよ」のキャッチコピーでスタート。内部を真っ暗にした観覧車や、 カレーの香り漂うお化け屋敷など、奇抜なアイデアで話題を呼んだ。
翌年以降も続いて4年目。2022年は電気料金の大幅値上げで「一層ぎりぎり」。ことしは客足が戻りつつあったが、かき入れ時の夏に猛暑が直撃した。屋外のアトラクションが多いだけに、7、8月の入場者数はウイルス禍前より2、3割減少。特に8月はウイルス流行の「第7波」で過去最低だった昨年に次ぐ少なさだという。
これまでのぎりぎり企画を勢ぞろいさせる「ぎりぎりアトラクションオールスターズ」は9月2日に始めた。ぎりぎり企画を期待する客の声がきっかけで、園内でコラボイベントが行われている映画「プリキュアオールスターズF」にちなんだ。
復活したアトラクションは、宙返りのように回転する乗り物にコップの水を持って乗る「覆水盆にロックンロール」など14種類。便器の絵に付けられた流水ボタンを押すと何かが起こる「プッシュdeミスト」など2種類の新作もある。
メリーゴーラウンドの修理が終われば全部で19種類になる。髙橋修園長(66)は「どれをとっても深い意味はない」ときっぱり。それでも、くすっと笑ってしまうようなところがぎりぎり企画の魅力だ。
いずれも限られた予算の中で、スタッフらが知恵を絞り、準備してきた。髙橋園長は「楽しい思い出をつくれるよう、今まで以上に努力している。ぜひ来てほしい」と話している。
ぎりぎり企画は一部を除いて11月下旬まで。問い合わせはサントピアワールド、0250(68)3450。
主催者の都合や天候等により、催しの予定が変更されることがあります。ご利用の際は、主催者等に必ずご確認ください。