長野市の善光寺が、今春の御開帳(4月5日〜5月31日)の期間中、夜間に本堂と回向(えこう)柱をライトアップすることが5日、分かった。御開帳期間中では初の試み。御開帳では日中に参拝客が長い列をつくるため、混雑を和らげ、夜間の参拝で宿泊客などの増加にもつなげる狙い。ながの観光コンベンションビューロー(長野市)と善光寺御開帳奉賛会(事務局・長野商工会議所)が協力する。
ライトアップは御開帳期間中の毎日、日没後から午後9時まで実施する。善光寺信仰の基となる「極楽浄土」をイメージし、本堂などを金色に照らすという。普段は夕方に閉める本堂外陣も初めて午後9時まで開放する。ただ、夕方の法要で前立本尊を納めた厨子(ずし)の扉を閉めるため、前立本尊の参拝はできない。
同奉賛会によると、過去最多の673万人が参拝した前回(2009年)の御開帳では、回向柱に触るための行列が最長500メートル以上になった。奉賛会は北陸新幹線(長野経由)金沢延伸などから、今回の参拝者の目標を700万人超としており、混雑対策も検討していた。
善光寺一帯では、毎年2月の「長野灯明まつり」などでも本堂などをライトアップしている。同奉賛会会長の北村正博・長野商議所会頭(67)は「夜間に訪れてもらえれば、宿泊施設や飲食店の利用も増えるのではないか」と期待している。