茅野市郊外の横谷渓谷に氷瀑(ひょうばく)が姿を現した。時間が止まったかのように青白いつららが無数に並ぶ。水しぶきを上げてそばを流れる渋川と対照的だ。岩肌からしみ出た湧き水が氷結し、1月中旬から2月上旬に最も大きくなる。2月下旬まで楽しめる。
氷瀑は天然と人工を合わせて3カ所ある。横谷温泉旅館のマネジャー富田勇さん(50)によると、旅館から上流に20〜30分ほど歩いた所にある天然の「屏風(びょうぶ)岩氷瀑」が高さ15メートル、幅50メートルほどで最大。今冬は12月の気温が低かったため、例年に比べて大きくなるのが早いという。旅館の下流にある「乙女滝」も天然で、富田さんは「足元に気を付けて迫力の屏風岩と見上げる乙女滝の両方を楽しんで」。
埼玉県伊奈町から家族4人で訪れた会社員中島昇二さん(45)は「湧き水や滝が凍るなんて珍しい。初めて見ました」。長女の愛香さん(11)も白い息を吐きながら「大きくて迫力があったよ」と笑顔だった。